社長の有難いお言葉

今日は勤務先であるコンサルティングファームでの最終出社日だった。

2年間という短い期間だったが、プロフェッショナルな同僚の方々や日本を代表する企業の方々と
世間的なインパクトのある大きな仕事ができ、大変貴重な経験をさせて頂いたと思う。

このコンサルティングファームはいわゆる他の戦略コンサルのようにガチガチのロジックだけでなく、
クリエイティブな部分も許容しており、実際に社内にクリエーターも在籍している。
クリエイティブの会社からスピンアウトして独立した歴史を持つこの会社は、
社内スローガンも「左脳に溺れない、右脳に逃げない」であり、論理と感性の両立を重んじる社内文化がある。


そんな素敵な会社を創業した社長が最後に色紙でくれた言葉がとても心に刺さった。

「事業継承とイノベーションは両輪です。戦略的思考と実行力はマネジメントにおける両輪です。思いっきり頑張ってください。」

深い!!

言葉に深みとリアルが滲み出ている。

こんな社長のもと働けて良かったです。

頑張ります。

地方で事業をすること

「一燈会」という後継者が学びを共にするためのコミュニティが東京にある。

年間売上数百億レベルの企業後継者から、数名の従業員を抱える企業の後継者まで、
様々な業種・地域・規模の企業後継者(もしくはその予備軍)が学びを共にする場である。

後継者とは、特殊な、でも共通の悩みを抱えており(力を持ちすぎた古参社員など)、
それらをお互いに共有したり、ディスカッションしたり、外部の学びを取り入れることで、
後継者としてのレベルを上げていこうという意思のもと定期的に開催されている。

今日はその一燈会のメンバーが家業を継ぐために帰省する私の為、東京で送別会を開いてくれた。

「家業を承継するのに、いきなり同時に起業もするとか、どうやって社員さんに説明するの?できんの?」
「そんな大企業の理論とか理屈とか、全く効かんと思うで。これまで働いてた企業とは違うんやから」
「失敗する顔見てみたいな~早めに痛い目見るとええわ。現実を知るといいわ」


中小企業経営の現実は大企業での理論とは別物。
ベンチャーと事業継承を同時するなんて甘い。
そういった厳しい激励メッセージを沢山頂いた。
(もう少し、暖かい言葉で送ってよとも思ったが)

就職する際、将来的に家業を継ぐことも考えて、できるだけ経営者として学びのありそうな企業を選んだ。
実際、新卒で入社した外資系メーカーや、転職先のコンサルティングファームでは、非常に深い学びと経験ができ、
私の経営に対する考えの礎を築くのに非常に大きな影響を与えてくれた。

大企業では徹底的にロジカルかつ戦略的にビジネスを思考し、緻密な計画とマネジメントにより実行して行く事こそが成功への道だと教わる。
私自身、徹底的にそこを叩き込まれたし、そここそが成功と失敗を分けるものだと思っていた。
しかし、どうやらこれから進もうとする地方中小企業やベンチャーの経営は、少し様子が違いそうだ。
むしろ、頭でっかちな論理や知識は害を及ぼす可能性もある。(と実経営者の方々からは言われる)
父の姿や地方経営者の方々を見ていても、地方中小企業が論理だけで動くものではないと頭で理解はしているつもりだが、
かと言って、論理のない、勘や人情だけに頼った経営でもダメだと思っている。

同じ経営とテーマにおいて、大企業、中小企業、ベンチャーで何が違うのか。

 

そんなことを考えていた時、友人が送別会でこんな提案をくれた。
「結構、面白いキャリアを積んでるし、この体験談はブログとかで発信したほうがいいんじゃない?」
これから私が経験するであろう困難や悩みは、地方で後継者・経営者になる予定の人々にとっても有効な情報であり、
今の実況を発信することに価値があるのではないかと。


確かに私のように東京や海外でビジネス経験をし、地方にUターン・Iターンで戻って起業したり事業承継する人はある程度いそうだ。
そして、必ず大企業経営と地方企業経営の間に存在する「ギャップ」に悩む人は多いであろう。
私自身、外資系メーカーでは生産管理・研究開発・海外工場の立ち上げ等のグローバルプロジェクトに参画し、世界中を飛び回りながらグローバル大企業での仕事を経験した。
その後、コンサルティングファームではマーケティングブランディング、経営戦略のコンサルティングを日本の大企業に対して行いながら、
日本経済のトップ層がどのような事を考え、どのように業界を動かしているのかも垣間見れたと思う。
ただ、これから事業をするのは、地方の中小建設業であり、ベンチャーだ。

このブログでは、私が企業人として外の世界(海外や東京などのビジネスフィールド)で学んできたことを、
地方中小企業の経営で実践し、その中で何に悩み、何を感じ、何を考えたについて書き綴ろうと思う。

将来、地方での事業に興味のある方々は是非読んで頂ければと思う。